[ テーマ: 法人税 ]
2006年11月6日14:09:00
年末調整についていかがでしたでしょうか?
年末調整は毎年行っていても、年に一度のことで細かいところで毎年疑問符が出てきたりしますよね。
さて、今回からの連続テーマは「交際費」について。
交際費は税務調査の際にも特に問題とされやすいものです。
・類似科目(寄付金・広告宣伝費・福利厚生費等)との区別の判断が難しいケースがある
・交際費の全額が費用(損金)として認められないため、一部課税を受けてしまう
など、経理担当者の方にとって交際費に関する知識は必要不可欠なものであると思います。
まず、交際費の定義とは
「事業に関係のある者(仕入先・得意先・株主・社員等)に対して、接待・供応・慰安・贈答などのために支出する費用」
とされています。
税務上、全額損金とならない理由は
(1) 交際費は会社の冗費を助長し経営の健全化を妨げるから
(2) 交際費は事業との関連が少ないことが多く、特定の者のみが恩恵を受けることが通常であるから
・・・仮に何の制約も無く交際費を税務上損金として無制限に認めてしまうと、会社のお金は納税するより自分たちの飲み食いなどに使ってしまおう、という風潮が広まってしまう危険性があるからですね。
以上のような理由で、税務上交際費については
(1) 交際費として経理された否かに関わらず、税務上の交際費に相当するものを交際費として取り扱う
(2) 交際費については損金算入限度額が定められており、これを越える部分は損金とはならない
という扱いになっています。
では、「実務」という点にしぼった場合、どの様な処理をしていけば良いのでしょうか。
まずはこの3点を意識してください。
(1)「交際費」の定義をしっかりおさえる
(2)「交際費」とその「隣接費用(まぎらわしい費用)」の区別を明確にする
(3)証票類を整備する
(1)の注意点は、税法上の交際費の概念は一般の感覚で言う交際費よりも幅が広い点ですね。
(3)は交際費に限らず経費精算の基本です。交際費であろうがなかろうが、それを裏付けるもの(証票)が必ず必要になります。特に「一見交際費に見えるが実際は交際費ではない」という経理処理をした場合などは、書類を完備しておきましょう。
では次回は“(2)「交際費」とその「隣接費用(まぎらわしい費用)」の区別”についての詳しい説明をしていきます。
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