[ テーマ: 源泉所得税(年末調整) ]
2006年10月23日10:25:00
今回は、源泉徴収簿の作成と年税額の計算です。
① 年末調整に必要な書類が揃ったら
・ 源泉徴収簿に毎月の給与
・ 給与から天引きされる社会保険料、算出税額
を記入します。前職分の給与や季節ごとの賞与は忘れがちなので記入漏れがないよう注意します。
② 1年間の給与が決まったら、早見表により給与所得控除後の金額を求めます。
・給与天引きの社会保険料
・保険料控除申告書
・配偶者特別控除申告書
・扶養控除等申告書
に基づき各種の所得控除の金額を求め、源泉徴収簿に転記します。
※基礎控除額の38万円を加算し忘れないように!!
③ 給与所得控除後の金額から所得控除額の合計額を控除します。
この金額が課税所得金額で、この金額に税率を掛けて1年間の税額を算出します。
④住宅借入金等特別控除がある場合
明細書で計算した控除額を控除します。
最後に、年末調整定率控除額(住宅借入金等特別控除を控除した税額の10%相当額 ただし12万5千円を限度)を控除します。18年分の所得税から定率減税が2分の1に縮小されました。19年分から定率減税がなくなります。
以上の計算で年税額が確定します。
過納額の還付と不足額の徴収について
■過納額の還付
年末調整によって計算した年税額より、預かっていた源泉徴収税額が多い場合には、12月の給与の支払い時(翌月現金で還付する場合もあります)に過納額を本人に還付します。
■不足額の徴収年末調整によって不足額が生じた場合、原則12月の給与の支払い時にその不足額を徴収します。
徴収税額の納付
預かった徴収税額は、翌年の1月10日(一定の届出書を提出している場合には、翌年の1月20日)までに、所定の納付書を使って国に納付しなければいけません。たとえ還付が多額のため納付税額が0となる場合であっても、納付書は0金額で税務署に直接提出または郵送しなければいけません。
源泉徴収票の交付
年末調整が終わったら各人の源泉徴収票(給与支払報告書)を作成します。通常役員の場合には4枚、社員の場合には3枚作成します。1枚は本人に、2枚は市区町村に提出します。一定の役員等(その年中の給与等の金額が150万円を越える役員及び500万円を超える社員(年末調整をしたものの場合))については、源泉徴収票1枚を所轄税務署に送付します。
翌年1月1日に在籍しない社員等についても市区町村に給与支払報告書を提出する必要があります。
19年1月提出分からの改正ですので注意が必要です。
[ テーマ: 源泉所得税(年末調整) ]
2006年10月19日09:16:00
【配偶者控除】
配偶者の合計所得金額が38万円以下であれば控除額は38万円です
・・・配偶者の年間給与収入103万円以下にこだわる理由・・・
配偶者のその年の給与収入が103万円以下であれば、対応する給与所得控除額65万円を差し引くと合計所得金額が38万円以下となり、配偶者控除が受けられます。
(例)給与収入が100万円の場合
▲計算式 100万円-65万円=35万円
合計所得金額の38万円以下となるので、この場合は配偶者控除が受けられます。
配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が38万円以下の人について、38万円の所得控除をするものです。
しかしこの制度は配偶者の合計所得金額が38万円を超えるといきなり控除額が0円になってしまいます。
また配偶者本人にも(基礎控除以外に所得控除がなければ)所得税がかかります。
つまり、38万を超えた場合、配偶者の収入増よりも本人の税金増の方が大きいことが起こりうるわけです。特に、本人の所得が多い場合に注意が必要です。
これを補うのが、配偶者特別控除の制度です。
【配偶者特別控除】
配偶者の合計所得金額が38万を超えると徐々に少なくなりますが、76万円までは控除額があります。
(下図参照)
平成15年度までは、合計所得金額が38万円以下の場合にも配偶者特別控除が認められていましたが、この部分は、平成16年1月に廃止されました。
つまり、配偶者特別控除、もしくは配偶者控除どちらかのみの控除となったわけですね。
[ テーマ: 源泉所得税(年末調整) ]
2006年10月18日17:32:00
今回は、年末調整のために必要な申告書の説明です。
①扶養控除等申告書
所得控除の対象となる扶養親族や配偶者の状況については、扶養控除等申告書により確認します。この申告書は、その年の最初の給与の支給されるまでに会社に提出することになっているのですが、年内で状況が変わっている場合(結婚した、子供が生まれた等で扶養家族が増えた場合など)がありますので、年末にもう一度確認します。尚、提出し忘れている場合にはすぐに提出してもらいましょう。
通常、年末調整時には、翌年分の扶養控除等申告書を提出してもらい、年内の異動を確認します。
国民年金の控除を受ける場合には、社会保険庁の控除証明書が必要になります。
②保険料控除申告書
保険料控除の計算の基礎となる給与等から天引きされる以外の社会保険料、生命保険料、損害保険料、小規模企業共済等掛金を確認します。
個人でかけている、生命保険会社の保険、簡易保険等のことですね。翌年分の扶養控除等申告書には、12月31日現在の状況を記載します。この申告書提出してから12月末までに子供が生まれた場合等状況が変化した時は、年末調整を再度実施します。
③配偶者特別控除申告書
配偶者のパート収入などが103万円超141万円未満である場合には、この適用が受けられます。配偶者の12月のパート収入がまだ出ていない場合でも見積り額を含めて計算します。
(103万円以下の場合は配偶者控除が受けられます。)
※本人の合計所得金額が1千万円を超える場合にはこの適用は受けられません。
④給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
税務署から送付された“控除証明書”と金融機関等が発行した“借入金の残高証明書”を添付して提出してもらいます。初めてこの適用を受ける場合には翌年3/15までに確定申告が必要です。早めに申告すれば早く税金の還付がうけられますよ。
住宅借入金等特別控除の計算の留意点
住宅借入金等特別控除の計算は、いつからこの適用を受けているのかによって控除額の計算が違ってきます。適用を始めて受けた年度を確認した上で控除額を計算するようにしましょう。
さて、この中で一番気になるのは?③の「配偶者特別控除申告書」ではないでしょうか?次回はこの「配偶者特別控除」及び「配偶者控除」について詳しく説明していきましょう。