[ テーマ: 小話 ]
2008年2月15日08:00:00
■3)住宅ローン控除制度の改正
1・住宅ローン控除の特例措置の創設等
地方分権を税務面から支援すべく、平成19年より国から地方公共団体へ「税源移譲」が実施されました。
それに伴い、所得税負担の減少を受けて、住宅ローン控除の適用を受けることができる金額も減少してしまう可能性があります。
このため、以下の①と②の制度が設けられました。
①平成19.20年に居住した場合について、控除率は引き下げ、控除期間を15年に延長し、トータルでの減税額の満額が同額となる特例制度がつくられました。
なお、この制度は従来の住宅ローン控除との選択適用となります。
②新たに「住民税の住宅ローン控除」制度が設けられることになりました。
■「住民税の住宅ローン控除」の対象となる人
・平成11年1月1日から平成18年12月31日までの間に居住した人
※平成19年以降に住宅ローン控除を受けようとする人は対象となりません(所得税で税源移譲を織り込んだ住宅ローン控除の決まり
(つまり①)が手当てされているため)。
■「住民税の住宅ローン控除」の受けかた
・基本的に毎年、各市区町村に申告をすることにより控除を受けることになります。
・控除を受けるには,確定申告や年末調整とは別に 市区町村へ市・県民税住宅借入金等特別税額控除申告書 を提出なければいけません。
◇所得税の確定申告をする人
所得税の確定申告書とともに,税務署へ市・県民税の「住宅借入金等特別税額控除申告書」を提出
◇所得税の確定申告をしない人
賦課期日(1月1日)現在の市区町村へ,市・県民税の「住宅借入金等特別税額控除申告書」を提出
【※源泉徴収票(原本)の添付が必要です。
申告書には住宅借入金等の年末残高合計額の記入欄がありますので,金額を控えておいてください。
・申告期限は所得税の確定申告同様、原則として毎年3月15日(平成20年の場合、3月15日が土曜日なので3月17日)が期限とされます。
・住民税のローン控除の書類は自動的に送られてくるわけではなく、自分で取り寄せるか市区町村のHPからダウンロードします。
確定申告時期は役所が混雑することが予想されますので、お住まいの市区町村の役所に問い合わせて、早めに準備しましょう。
※住民税の住宅ローン控除は、あくまで「所得税で従来受けられた分」の税額控除を住民税から差し引きましょう、という決まりです。つまり、所得税で住宅ローン控除が全額控除できている場合、住民税のローン控除の適用は基本的にありません。
2・住宅バリアフリー改修促進税制の設立
以下に記載している一定の要件を満たす人が、自分が居住する家屋について特定のバリアフリー改修工事を含む増改築工事をした場合に、その工事費用に充てるために借り入れた住宅ローンの年末残高1,000万円を上限として、一定割合を乗じて計算した税額を控除する特例がつくられました。
なお、この制度は平成19年4月1日以降に居住する場合について適用されます。また、現行の住宅ローン控除制度との選択適用になります。
◇対象になるのは、次のいずれかに該当する人です。
1.居住年の12月31日における年齢が50歳以上である人
2.介護保険法の要介護、または要支援の認定を受けている人
3.所得税法第2条第1項第28号に規定する障害者である人
4.親族のうち、前記2もしくは3に該当する人、または居住年の12月31日の年齢が満65歳以上の人、のいずれかと同居している人
※「居住年」とは住宅ローン控除の対象となる家屋に居住を始めた年のことです。
◇特定のバリアフリー工事とは?
・通路等の拡幅・階段の設置や勾配の緩和・浴室改良・便所改良・手すりの設置
・屋内の段差の解消・引き戸への取替え工事・床表面の滑り止め化
上記いずれかに該当する一定の改修工事で、費用の額(補助金等の給付がある場合はそれらを控除した金額)が30万を超えるものをいいます。
今回はかなり長くなってしまいました。
次回は、確定申告のCMでも目にするようになった「電子申告」についてお話いたします。